沖縄南部は、歴史と文化が深く根付いたエリアであり、美しい自然と豊かな伝統が共存しています。那覇市を中心に、首里城や斎場御嶽(せーふぁうたき)などの歴史的スポットから、ガンガラーの谷や瀬長島といった自然豊かな場所まで、沖縄南部には魅力的な観光地が点在しています。ここでは、沖縄南部の楽しみ方をご紹介します。

南部の自然、文化遺産を訪れる

(1)首里城

首里城は、琉球王国の政治と文化の中心地として栄えた場所で、その壮大な朱色の城郭は訪れる人々を魅了します。首里城は、2019年10月の火災で大きな被害を受けましたが、その復元作業が順調に進んでいます。2024年7月現在、復元のメインである正殿の屋根には、約3万枚の赤瓦が使用される予定です。この瓦は、火災で破損した元の瓦を細かく砕いたものや、赤土、鉄を含む泥岩を混ぜて作られており、歴史的な正確さを保ちながら復元されています。屋根の工事は、風雨を防ぐための仮設構造物の中で行われ、天候に左右されることなく、慎重に進められています。この復元プロジェクトは、「見せる復元」として知られており、訪問者は作業の進捗を直接見学することができるという、特別な体験を提供しています。

(2) 斎場御嶽

斎場御嶽は、15世紀頃に琉球王国の創設者である尚真王によって整備されたとされています。この御嶽は、琉球の神道「琉球神道」の中心的な場所であり、国王や女神官(ノロ)たちがここで神聖な儀式を行っていました。琉球王国の統治者たちは、斎場御嶽を訪れることを通じて、その統治の正統性を示し、神々との繋がりを深めることができると信じられていました。
斎場御嶽は6つの拝所(ウガンジュ)から構成されており、それぞれが異なる神を祀っています。特に有名なのは「三庫理(さんぐーい)」という洞窟で、ここは特に神聖な場所とされ、琉球王国の重要な儀式が行われた場所です。また、巨石が立ち並ぶ拝所「シルバヌ御嶽」も訪問者に人気の場所です。

(3)ガンガラーの谷

ガンガラーの谷は、かつての鍾乳洞が崩れてできた谷で、亜熱帯の植物が生い茂る自然豊かな場所です。ガンガラーの谷を訪れる際には、ガイド付きツアーが用意されており、専門のガイドが谷の自然や歴史、文化について詳しく説明してくれます。ツアーは日本語と英語で行われており、参加者は古代の遺跡を見学しながら、沖縄の豊かな自然と深い歴史に触れることができます。ツアーの中では、谷の中にある「洞窟カフェ」で休憩する時間もあります。このカフェは、かつて鍾乳洞だった場所に設けられており、洞窟の自然の中で一息つく特別な体験ができます。
谷全体にはシダ類や巨大なガジュマルの木が立ち並び、まるでジャングルの中を歩いているかのような感覚を味わうことができます。この自然環境は、訪れる人々にとってリラックスとリフレッシュを提供する癒しの場となっています。また、この谷は単なる自然スポットだけでなく、古代の歴史や文化にも深く関わる場所です。考古学的には、約1万8000年前の旧石器時代の人々がこの地域に住んでいたとされ、谷の中にはその証拠となる遺跡がいくつも発見されています。谷内には「港川人」という沖縄の先住民の化石が発見された場所があり、ガイド付きツアーでは、その歴史的背景について学ぶことができます。

車で行ける島を楽しむ

(1)瀬長島

瀬長島は、沖縄本島南部に位置し、美しいビーチと豊かな自然が広がるリゾートアイランドです。温泉施設やリゾートホテルが整備されており、観光客に人気のスポットです。夕暮れ時には、美しいサンセットが楽しめ、ロマンチックなひとときを過ごすことができます。また、瀬長島ウミカジテラスでは、地元の特産品やグルメを楽しむことができ、ショッピングも充実しています。
また瀬長島には、天然温泉を楽しめるリゾートホテル「琉球温泉 瀬長島ホテル」があります。このホテルは、日帰りでも利用できる温泉施設を備えており、観光やドライブの途中に立ち寄るのにも最適です。ホテルの露天風呂からは、青く広がる海と空が一望でき、開放感溢れる温泉体験が楽しめます。特に夕方には、露天風呂に浸かりながらサンセットを眺める贅沢な時間を過ごすことができます。

(2)奥武島(おうじま)

奥武島は、全長約1.6キロメートルという小さな漁師島で、新鮮な魚介類を使った料理が楽しめることで有名です。特に天ぷらは地元の名物で、新鮮な魚や野菜を使った天ぷらを楽しむことができます。奥武島の漁港やビーチも美しく、のんびりとした時間を過ごせます。また、この島では猫たちが自由に暮らしており、漁港や島内の道端、家の前など、至るところで猫たちの姿を見かけることができます。奥武島の猫たちは非常にフレンドリーで、観光客が近づいても逃げることなく、むしろ寄ってきて撫でられるのを待つ姿が見られます。特に、漁港周辺や島の中心部にいる猫たちは、人に慣れていて、訪れる人々と和やかに触れ合うことができます。猫たちはのんびりとした雰囲気の中で暮らしており、彼らの穏やかな性格が島のリラックスした空気と見事に調和しています。

南部の市場で新鮮な食材を楽しむ

(1)那覇市第一牧志公設市場

牧志公設市場は、沖縄の首都である那覇市の中心部、国際通りの近くに位置する市場で、「那覇の台所」として親しまれています。この市場は、戦後すぐの1950年代に誕生し、以来、地元の人々や観光客に愛され続けているスポットです。三階建ての建物の中にあるこの市場の1階には、鮮魚や肉類、沖縄特産の野菜や果物が所狭しと並べられており、地元で獲れた新鮮な魚介類や、沖縄特有の豚肉(アグー豚)をはじめとする多様な食材が手に入ります。
また、市場の1階で購入した魚介類を、その場で調理してもらい、2階の飲食スペースで食べることができます。例えば、購入したばかりの新鮮な魚を刺身や焼き魚にしてもらうことができ、地元の食材を使った沖縄料理を存分に堪能することができます。観光客にとっては、買い物と食事が一度に楽しめるユニークな体験です。さらに市場内には、ゴーヤーや島らっきょう、豆腐ようなど、沖縄特有の食材が豊富に揃っています。また、島唐辛子を使った調味料や、沖縄の黒糖、泡盛などの特産品も購入でき、お土産探しにも最適です。

(2)糸満お魚センター

糸満お魚センターは、沖縄本島南部、糸満市に位置する新鮮な魚介類を楽しめる市場です。糸満市は古くから漁業が盛んな地域で、このセンターでは、地元の漁師が朝獲れたばかりの新鮮な魚介類を提供しています。観光客だけでなく、地元の人々にも人気のスポットであり、沖縄の海の幸を堪能することができます。 お魚センターの最大の魅力は、何と言ってもその新鮮さです。毎朝、糸満漁港に水揚げされたばかりの魚介類が並び、刺身、寿司、焼き魚など、さまざまな形で楽しむことができます。センター内の各店舗では、イカ、マグロ、タコ、サバなど、多種多様な海産物が手頃な価格で購入可能です。また購入した魚介類をその場で調理してもらうことができるのも、糸満お魚センターの魅力の一つです。新鮮な刺身や寿司だけでなく、フライや焼き物など様々な魚料理を楽しめます。違うものを少しずつ買って、食べ比べしてみるのも良いでしょう。

沖縄南部は、歴史と文化、自然の美しさ、そして地元のグルメが融合した魅力的なエリアです。歴史的な遺産を巡り、豊かな自然に触れ、地元の味を楽しむことで、沖縄の多面的な魅力を存分に味わうことができます。南部を訪れ、その奥深い魅力を体感してみてください。沖縄南部の物件については特集も組んでいるので、ぜひチェックしてみてください。次回は、沖縄の文化体験について詳しくご紹介しますので、お楽しみに!記事のリクエストや沖縄について気になることがあれば、ぜひお気軽にご意見をお寄せください。